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ご挨拶
遺伝とがんについて考える
国民が自らの遺伝情報を理解して活用することでがん予防を可能にする社会を目指して
いまや日本人の2人に1人が生涯でがんにかかる時代です。そしてがんの約1割は遺伝因子を原因とする、「遺伝性腫瘍」であると考えられています。20世紀末からゲノム解析技術の急速な進歩により、数々の遺伝性腫瘍の原因遺伝子がみつかってきました。
ところで私が居住している岡山市北区出身の偉人として、幕末に適塾を開設し西洋近代医学をわが国に広めた緒方洪庵が挙げられます。洪庵は牛痘種痘の普及に尽力し幕末に海外から持ち込まれて大流行した天然痘の予防を確立しました。昨今はコロナウイルスの拡大により再び予防医療が注目されてきましたが、我々日本人は明治以前から予防医療をとりいれることで、世界に冠たる衛生環境を勝ち取ってきました。
そして21世紀の四半世紀が過ぎた今日、我々は遺伝学的検査を通して個人個人の遺伝情報に応じたがんに対する先制医療を組み立てることが可能になってきました。がんに関わる遺伝情報は個人ひとりひとりが医療者や血縁者と共有することでがん予防が可能になるため、遺伝情報を受け入れるための考え方を持ち合わせることが大事になります。
本研究班は国民が遺伝情報を自分のものとして理解し、がんの予防から治療に活用して、がんで大切な命を失うことがない社会を目指すための研究を行って参ります。
研究代表者
岡山大学学術研究院医歯薬学域
臨床遺伝子医療学分野
平沢 晃
厚生労働科学研究費補助金がん対策推進総合研究事業 「ゲノム情報に応じたがん予防にかかる指針の策定と遺伝性腫瘍に関する医療・社会体制の整備および国民の理解と参画に関する研究」班
緒方洪庵生誕地(現岡山県岡山市北区足守)
平沢撮影
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