遺伝性腫瘍の検査と診断
遺伝学的検査の結果の解釈
遺伝学的検査の結果は、その結果が及ぼす体への影響から、陽性・陰性・VUS(Variant of Uncertain Significance)のいずれかに解釈されます。
陽性(Positive)
遺伝性腫瘍の原因となる遺伝子の病的バリアント(がんを発症しやすい遺伝子の特徴)が認められました。
遺伝性腫瘍の確定診断となります。
この結果を踏まえて、今後の対応について検討していきます。
「遺伝性腫瘍と診断されたら」の項をご一読ください。
※結果レポートの記載方法は検査会社により様々です。
Pathogenic・Likely Pathogenicなどと記載されていることがあります。
陰性(Negative)
今回調べた遺伝子において、遺伝性腫瘍の原因となる遺伝子の病的バリアント(がんを発症しやすい遺伝子の特徴)は認められませんでした。
ただし、検査には限界があります。現在の解析技術の範囲で分かりえる範囲の結果であること、検査対象以外の遺伝子については調べていないことなどから、遺伝性腫瘍を完全に否定できるものではありません。
今後の健康の管理方法については、あなたの既往歴や家族歴に応じて、担当医と話しあいましょう。
※結果レポートの記載方法は検査会社により様々です。
Benign・Likely Benignなどと記載されていることがあります。
VUS ("ぶいゆーえす"と読みます)
今回調べた遺伝子に、何らかのバリアント(遺伝子の特徴)が認められましたが、このバリアントが遺伝性腫瘍と関連するかどうかは、現時点の医学では判断できません。これまでのデータでは判断ができない、病的な意義が不明なバリアントのことを指します。
今後の健康管理については、あなたの既往歴や家族歴に応じて、担当医と検討することになります。
※結果レポートの記載方法は検査会社により様々です。
Variant of Uncertain Significance・Variant of Unknown Significanceなどと記載されていることがあります。
将来、VUS の解釈が変化することがある
医学の進歩により、将来、遺伝性腫瘍と関連するかどうか、判断できるようになる可能性があります。
結果の解釈が変更になった場合に備えて・・・
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あなたの連絡先が変わる場合は、検査を受けた医療機関へ届けておきましょう。
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医療機関によっては、VUSの解釈の変更について、ご自身から問い合わせが必要な場合があります。医療機関へ確認しておきましょう。
遺伝学的検査の結果がわかった後は、
今後の健康の管理方法について担当医と考えていきましょう。
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