本研究について
研究代表者挨拶
研究代表者挨拶
厚生労働科学研究費補助金がん対策推進総合研究事業 「ゲノム情報に応じたがん予防にかかる指針の策定と遺伝性腫瘍に関する医療・社会体制の整備および国民の理解と参画に関する研究」班は、遺伝性腫瘍に関してわが国おけるエビデンスのとりまとめ、医療体制と社会体制の整備、および国民の理解と参画を目指す、職種・領域横断的かつ課題解決型の研究班です。
わが国が国策としているがんゲノム医療は「がん患者の腫瘍部および正常部のゲノム情報を用いて治療の最適化・予後予測・発症予防をおこなう医療(未発症者も対象とすることがある。またゲノム以外のマルチオミックス情報も含める)」と定義されています(第3回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(令和3年12月21日))。治療の最適化についてはコンパニオン診断の導入や2019年6月のがん遺伝子パネル検査の保険診療化によって確実に実地診療に根付いてきています。一方で今後はがん未発症者も含めた遺伝性腫瘍の病的バリアント保持者に対する先制医療が実装されることで、ゲノム情報に基づいた国民のがん予防が可能になるといえます。
以上の目的を達するために本研究班では
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遺伝性腫瘍多遺伝子パネル検査(Multi gene Panel Testing: MGPT)の機器承認と保険収載を念頭においた、エビデンスに基づく有用性、費用対効果、対象者の基準にかかる検討、および診療の標準化を目指した指針の策定
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遺伝性腫瘍関連各遺伝子の臨床的有用性の評価、およびがん遺伝子パネル検査や全ゲノム解析などで検出されるPresumed Germline Pathogenic Variant(PGPV)に関するエビデンスに基づく開示推奨度や対応方針の構築
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遺伝性腫瘍に関する医療体制および社会体制の整備に向けた取り組みと国民との情報共有
を行います。
本研究班は国民ひとりひとりが遺伝情報を自分のものとして理解し、がんの予防から治療に活用して、がん死低減を行うことが可能な社会を目指すための研究を行います。
厚生労働科学研究費補助金がん対策推進総合研究事業
「ゲノム情報に応じたがん予防にかかる指針の策定と遺伝性腫瘍に関する医療・社会体制の整備および国民の理解と参画に関する研究」班 研究代表者
岡山大学学術研究院医歯薬学域 臨床遺伝子医療学分野
平沢 晃
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