遺伝性腫瘍協議会設立準備会
遺伝性腫瘍協議会設立準備とは?
遺伝性腫瘍協議会設立準備会とは?
がんの約1割程度は遺伝因子を原因とする「遺伝性腫瘍」である。
わが国のがんゲノム医療の定義は「がん患者の腫瘍部および正常部のゲノム情報を用いて治療の最適化・予後予測・発症予防をおこなう医療(未発症者も対象とすることがある。またゲノム以外のマルチオミックス情報も含める)」とされている(がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会 報告書〜国民参加型がんゲノム医療の構築に向けて〜 厚生労働省HP 平成29年6月27日) 。
「治療の最適化」についてはがん医療へコンパニオン診断の導入から、2019年のがん遺伝子パネル検査(Comprehensive genomic profiling :CGP)の保険収載を契機に、個別化治療に到達する道筋が整備されてきた。今後はがん未発症者を含むがん予防が可能になってはじめて、国民の確実ながん死低減が可能になるといえる。
しかしながら遺伝性腫瘍の確定診断のための多遺伝子パネル検査(Multi-gene panel testing: MGPT)が実地臨床で導入されていないのみならず、遺伝性腫瘍診療の多くが保険適用に至っていない。遺伝性腫瘍家系をLTFU(Long Term Follow-Up)することは、未発症者も含めた早期の医療介入に繋がる。この早期医療介入、いわゆる「健診的」事業を支援することは、国民のがん予防と医療費低減を両立させる、従来にない画期的な施策になりうる。
「がん予防」は第4期がん対策推進基本計画における重点項目になっているが、対策型検診とともに、遺伝情報に基づいたがん予防は科学的根拠に基づく予防法である。またわが国は令和7年度より全ゲノム解析を診療に導入すると国策で決めているが、バリアントの集団における頻度から鑑みると遺伝性腫瘍が高頻度で検出されると予測される。今後は国民が、個人の遺伝的特徴として遺伝性腫瘍にかかる情報を手にする可能性が高いが、遺伝性腫瘍の診療体制や社会支援体制は十分に整備されていない。
そこで遺伝性腫瘍の診療体制整備、社会支援体制、研究・開発の体制整備を目指して、今後、遺伝性腫瘍協議会(仮称)を設立する。個人の遺伝因子に応じたきめ細かいがん予防をわが国で確立することを目指し、産官学で協同し遺伝情報に応じた管理指針を策定し、遺伝性腫瘍の診療体制を普及させ、社会支援の体制整備をはかることで、国民のがん予防に寄与することを目標とする。
上記遺伝性腫瘍協議会設立の趣旨に賛同する個人・団体に広く協力を呼びかけて、我が国にとって有用な社会資源として利活用可能な社会インフラとなることを目指して、関連する医療体制、社会支援体制を確立するために遺伝性腫瘍協議会設立準備会発起人会を、今回立ち上げる遺伝性腫瘍協議会設立準備会内に組織化する。関係各機関、ならびに発起人会の英知と努力を結集して遺伝性腫瘍協議会を早期に設立することが目的である。
遺伝性腫瘍協議会設立準備会は、協議会設置の趣旨に賛同する個人・団体・発起人がそれぞれの役割と責務に基づき、恒常的かつ機能的な遺伝性腫瘍に係る医療体制、社会支援体制を整備する目的に沿って活動し、次のステップとなる遺伝性腫瘍協議会への円滑な移行を目指すことを表明する。
2023年12月吉日
遺伝性腫瘍協議会設立準備会 代表 平沢晃
遺伝性腫瘍協議会設立準備会 発起人会 発起人代表 石田 秀行
遺伝性腫瘍協議会設立準備会 組織案(2023年12月発足時)
設立準備会 代表 平沢 晃 (岡山大学 臨床遺伝子医療学)
副代表 吉田 玲子(埼玉県立がんセンター 腫瘍診断・予防科)
副代表 未定
発起人会 代表 石田 秀行(埼玉医科大学総合医療センター消化管外科一般外科・ゲノム診療科)
副代表 未定
副代表 未定
事務局 事務局長 三田村 真 (日本骨髄バンク)
事務局次長 細井 侯利 (診断薬企業経験者)
(敬称略)
*遺伝性腫瘍協議会設立準備会 会則については、近日中に公表致します。
JPCHT Japanese Promotion Council for Hereditary Tumor 日本遺伝性腫瘍協議会
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